米最大手保険会社AIG:なんでこうゆうことになったの? |
なったか解らないですよね、そこでローリングストーン
マガジーンの最新版を参考に説明を試みたいと思います。
始まりは、銀行・保険・証券業界が350億円の政治献金や
強引なロビー活動を展開して1999年に成立させることに
成功したグラム・リーチ・ビリー法です、この法によって
グラス・スティーガル法を無効にすることで、業界の垣根
を越えた合併が可能になり、単なる保険会社AIGがヘッジ
ファンドや投資銀行やその他の会社をM&Aしてメガコング
リマット(従って大きすぎて潰せない)になりました。
この法律のもう一つの問題点は、業態の監督官庁を選ぶ事
ができることです、例えばAIGはAIGホールディングになり、
そして貯蓄金融会社を設立することで、監督官庁は貯蓄金融
会社専門の監督官庁(たった一人の保険専門家しかいない
少人数の監督官庁なので、欺くのは赤子の手をひねるような
もの)を選択する事が可能になりました。
AIGは15万人の従業員を抱える、世界で18番目の巨大会社
ですが、その大会社を監督する官庁が、こんな小規模な監督
官庁に出来るわけないのは明々白々ですね。
ところで、このAIG乗っ取り作戦の首謀者であるジョセフ・
カサーノはAIG にたった377人の従業員を抱えるロンドンを
基点とする小部門を設立し、CDS(credit default swap)
を販売し始めました、この金融派生商品はなんであるかを社長
を初め保険部門の従業員全員は全くこの小部門が何をしている
のか解らなかったのですが、なにせ順調に高収益を稼ぎ出して
いたので問題にならなかったわけです。
そして、突然50兆円もの損失が判明しました、50兆円と言え
ば日本(人口:一億2千7百万人)の一年間税収に当たります、
このような巨額のお金をどうしてこんな小部門が扱えるように
なったのか理解不能ですよね。
実はこのCDSは保険の形を取っていますが実態は種銭のいらな
いギャンブルが楽しめる金融派生商品です、なぜ保険でなく
ギャンブルかと言えば、通常保険をかける場合例えば火災保険
をかける場合実際に家を持っていて、それに保険をかけるわけ
ですがこのCDSの場合例えばAIGとゴールドマン・サックスが
両社と全く関係のないJPモーガンの抵当が次の十年間に破綻
するかどうか(丁か半か)をかける契約を交わすことで成立する
商品ですので博打となんらかわりはありません。
しかしながら、博打ならゲーム法で規制をかけられるので、
詐欺師達はこのCDSはゲーム法の規制外先物商品として扱われ
るように2000年には「先物商品近代化法」の成立を企て成功
しました。
又、この法律の成立によって、証拠金を積まずに幾らでもCDS
を販売する事が可能になりました、要するにルールがないので
なんでもできることが可能になったわけです。
所で、今回の金融危機でダメージ受けたウオール街は自らの
損失を穴埋めしようと、税金、連邦準備金、米国債に食指を
伸ばせるように、今回の金融危機の処理をウオール街関係者
だけで処理できることに成功しました。
その理由は、餅は餅屋にしか理解できないからという米国民
を見下したものでした。
その結果、一般市民や議会は蚊帳の外で、秘密会談で処理が
成されているわけで透明性や説明責任は全く見られない状態
です。
しかも、今回の金融危機は民主党・共和党の二大政党の合作
ですので、米国民は誰を大統領に選ぼうとババを引くのは
納税者である一般市民であることを認識する事となりました。
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