日韓通貨スワップ:「アジア通貨基金」構想の一貫 |
を演出し、IMFを利用した米国による富の収奪行為
をよ~く理解しないと、日本政府の真の意図を正しく
理解出来ません。
1997年のアジア通貨危機は米国の21世紀型侵略行為
の序章でした。
先ず、アジア地域に貿易や直接投資を活発に行える
様に金融自由化を押し付けます。
そして、機が熟した頃にアジア各国政府が十分な
外貨準備金を保有していない事をいいことに、欧米
投機筋が国際為替市場でレバレッジを掛けた空売り
を仕掛け、売り崩しに成功します。
その結果、先ず最初にタイやインドネシア通貨の
為替市場がクラッシュし、アジア通貨危機が演出
されました。
この人工通貨危機に耐えられなくなったマレーシア
を除く各国政府はIMFに助けを求めました。
本来であれば、こういった通貨危機を未然に防ぐ
手立てを考え、その為の必要な措置を取らなければ
ならない役目のIMFが何もしないで、ただ事態を
看過するだけでした。
そのIMFがなな、なんと助けを求めてきた国に
「助けて欲しいなら、IMFが要求する構造調整
プログラム実施しろ!」と脅しをかけました。
構造調整プログラムを馬鹿正直に実行すると、その
国は輸出依存、外資依存体質から抜け出し切れなく
なります、その結果、外国への富の流出が止まりま
せんので、どうしても流出もとの国の中間層の厚み
が減って行く事となります。
こういった、米国の21世紀型侵略行為に対する不満
不平がアジア地域に広がりました。
この事態を上手く利用したい、また米国からの完全
独立が可能となる大東亜共栄圏構築を夢見る日本が
IMFに代わる又はIMFを補完するAMF(アジア
通貨基金)構想を国際社会に提示しました。
日本の宗主国である米国は勿論反対し、日本政府に
「無条件降伏した分際で、余計な事をするな!」と
怒り、その結果、日本政府はその構想を取り下げざる
おえない結果となりました。
この構想が実現していたら、AMFの助けにより韓国
は現在のような超輸出・外資依存体質にはなっていな
かったので、現在の様な中間層の厚みが薄い社会には
なっていなかったでしょう。
因みに、竹島問題に関しては、米国の傀儡政権である
韓国の李承晩大統領が国際法を無視した竹島を含む
李承晩ラインを引くという蛮行に対して、日本を占領
下に置いていた米国が何もせずに黙認したのが竹島
問題の始まりです。
一方、IMFの助けを拒否したマレーシア総理マハテ
ィールは「東アジア経済会議(EAEC)」構想を
ぶち上げました、このアジアからの米国影響排除構想
に激怒した米国は日本政府に「この構想に参加したら
ただじゃすまないぞ!」と恫喝したので、この構想は
頓挫しました。
が、マハティール総理に対する米国の露骨な批判や
高圧的な態度に対する嫌悪感はこの地域にまんえん
してしまいました。
こういった事を背景に1999年に「ASEANプラス3」
ができました。
このグループに参加しているメンバーはなな、なんと
あのEAEC構想メンバーと同一メンバーなのです。
そうなんです、「ASEANプラス3」は「EAEC」
の生まれ変わりと考える事ができますので、この
グループの目的をはっきりさせてしまうと米国の怒り
を買うので、目的をはっきりさせる事はできません
でした。
ただ公になっている実績としては、2000年のチェン
マイ・イニシャティブで決定された通貨スワップ構想
です。
このイニシャティブによりグループ内の参加国同士
が通貨スワップ協定を結ぶ事で投機筋による仕掛けを
事前に回避でき、通貨危機を事前に防ぐ事が出来ます。
そうなんです、こういったことは本来ならIMF自身
が当然やっておかなければならない事だったなのです。
従って、今回米国は「そんな余計な事はするな!」
とは表立って言えない訳です。
要するに、日本がアジアで米国にとって差し出がまし
い事をやる際には、アジア諸国に燻ぶる米国のやり方
に対する不満を汲み上げると同時に、米国からの批判
を回避しなければならないので、アジア通貨基金構想
の正面突破アプローチではなく、かなり消極的なアプ
ローチを取りながらも構想の本質を失う事がないアプ
ローチが求められる訳で、その実績がチェンマイ・
イニシャティブなのです。
なかなか賢明な、現実的なやり方ですね。
ですから、日本政府はアジア通貨基金構想の実現に
向けて、粛々とチェンマイ・イニシャティブを実施
していく事が求められていました。
従って、その一貫としての日韓通貨スワップ枠額を
増額し、その期限延長を決める事は日本国益に合致
しています。
勿論、こういった日本政府の意図を政府が公に認める
と米国は激怒し、この画策を潰しにくるのは明々白々
ですので、政府がこの意図は公に認める事は決して
ありません。
所が、鳩山総理は「EAEC」構想の生まれ変わりと
はっきり分ってしまう「東アジア共同体」構想をぶち
上げてしまったので、米国は激怒し、ジャパンハン
ドラーを通じて、「鳩山総理を潰せ」との指令により、
アメポチ官僚によるサボタージュや電通マスゴミNHK
による連日連夜での金太郎飴絨毯爆撃報道、止めは
国税庁投入を匂わすことにより鳩山総理は辞職に追い
込まれてしまいました。
要するに、日本が米国から独立するには大東亜共栄圏
構築が欠かせないのですが、そのゴールに達する過程
は慎重な行動が求められる訳ですので、大上段に構え
た構想や正面突破アプローチは米国を刺激し、潰され
てしまう事は歴史が証明しています。
ので、当分の間の現実策としてはチェンマイ・イニシャ
ティブを履行し、米ドル決済を減らし、国債の持ち合い
を推進するアプローチが一番有効だと考えられます。
Alternatives