発電コスト比較:原発vs火力=(濃縮ウラン+海暖め装置)vs(燃料+湯沸し装置) |
唱える人達がよく言うフレーズに「経済効率性
だけを求めず、自然の力を利用した環境にやさ
しい、地球の未来を考えたエネルギーを改めて
見直す時期に来ているのかもしれません」云々
がありますが、何か可笑しいと思いませんか?
エネルギーの経済効率性と言えば、電気で言えば
発電コストが参考値になりますが、原発の発電
コストは15円から30円であり、火力は6円から
10円だという事実をご存知なんでしょうかね。
もし知っていれば、「経済効率性の超悪い、自然
の力に逆らう、環境に存在しない核分裂生成物を
作り出し、100万年に亘ってお守りしなくては
ならない超やっかいな原発を推進する理由はただ
単に、プルトニューム核爆弾を何時でも作れる
状態を堅持したいからです」となります。
しかしながら、未だに多くの人達、皮肉にも高学歴
でコスト意識の高い人達ほど、原発の発電コストは
一番安いと信じているのも事実です。
そこで、原発と火力発電の発電プロセスを比べて
みると(尚、説明を分りやすくする為に、廃棄物
処理コストや事故が起こった際の賠償コスト及び
1兆円以上を溝に捨てた高速増殖炉もんじゅや
2兆円以上を溝に捨てた六ヶ所村再処理工場など
を考慮に入れていません)):
人工的に水蒸気を作り出す湯沸し装置の構造に
違いはありますが、その作り出された水蒸気を
使って、羽根車すなわちタービンを回し、その
動力を使って発電機を動かし、電気を作り出す
プロセスは全く同じです。
「おいおい、待ってくれよ、原子力が電気を作り
出すんじゃないのか? それじゃ、ウランは単に
湯を沸かす為に使用してるだけなの?」
そうなんです、だから原発をウラン火力発電
(濃縮ウラン火力発電)と呼ぶ事ができます。
従って、コストの違いは、湯沸し燃料とその燃料
に適合した湯沸し装置の構造の違いだけから生ま
れる事となります。
石炭・石油・天然ガスの湯沸し装置なら、構造は
単純となり、作り出された水蒸気も汚染されて
いないので、改良・改善や保守点検が簡単に行え
ます。
一方の濃縮ウラン燃料(濃縮過程でかなりの電気
を消費する)を瞬時に核分裂させると核爆発が
起こりかねないので、水を使ってゆっくり核分裂
させる方法で熱を作り出し水蒸気を作り出します
が、その過程で外部環境に出せばやばい核分裂
生成物が作り出されてしまうので、そのやばい
生成物や汚染された水蒸気が、いかなる状況であれ
外部に漏れ出ない構造にしなくてはなりません。
最悪なのは、湯沸し装置の燃料として無理やり
濃縮ウランを使用するので、無毒化技術が絶望的
な核分裂生成物が作り出されるだけじゃなく、
作り出される熱があまりにも凄すぎるのでその
3分の2を捨ててしまう為に沿岸の海の温度が
なな、なんと7度も上がってしまいますので、
「海暖め装置」と呼べてしまいます。
ですから、湯沸し装置として濃縮ウランを燃料
に使う選択がそもそも可笑しすぎる訳です。
その生み出された熱の大部分を海に捨てても構わ
ない、濃縮ウランを燃料として使い続ける理由は
なんなんでしょうかね・・・
こんな経済合理性や安全性から説明が付かない
濃縮ウランを燃料に選択するから、湯沸し装置
(「海暖め装置」)の構造が複雑化(沢山の
配管を使用せざるを得ない)し、その結果地震
が起これば、配管がゆっさゆっさと揺れ、地盤
沈下や地盤隆起が起これば配管破断は避けられ
ない事態となります。
そのやばい生成物や汚染された水蒸気が、いか
なる状況であれ外部に漏れ出ない構造を保つ為に、
部品の機密性や堅牢性が厳しく求められるので、
海暖め装置の部品は湯沸し装置の部品と比べて、
コストが2倍から3倍する事となります。
加えて、その機密性や堅牢性を堅持する為の被曝
覚悟の保守点検やかなりの被曝覚悟の定期点検が
絶対に必要となります。
更に、原発の発電コストは建設完了・運転開始
時点から超高く、年月が経てばより高い安全基準
に適合する事が求められるのでその分の追加投資
費用が発生してしまいます。
この理由により、発送電分離で市場原理が働く米国
では新規原発を商業電源として活用する投資家が
どうしても現れません。
一方の火力発電は、簡単な保守点検をしながら年月
が経てば、30年以上経てば、発電コストは実質的に
燃料代だけになり、2円から3円に劇的に下がります。
しかしながら、こんな発電コストが激安の火力を
使い続けるとショボイ利益しか生み出さない、一方
の発電コストが激高の原発を使い続けると莫大な利益
を生み出す事が出来るので、激安の火力を休止させ
その分を新規の原発で賄う「経営」が電力業界では
「有能な」経営者の考えです。
より強欲な経営者は原子力村官僚とグルになり、電気
料金値上げに成功すれば、坊主丸儲け状態になり、
原子力村関係者で秘密の大パーティ開催の運びとなり
知らぬは世界標準の3倍の電気料金を支払い続ける羊の
様に大人しい消費者となります。
では、なぜ日本では製造業の製造コスト増に繋がる、
超割高な原発を使い続けることが出来るのでしょうか?
それは、「電気事業法」に明記してある「総括原価方式」
という経費をかければかけるだけ利益がでる錬金術
計算方式のお陰です。
要するに、電力会社ではコスト意識の高い社員や
経営者は失格なので、如何に無駄に経費(マスコミ
対策費用・アカデミア対策費用・自民党対策費用など)
を使い、電力幹部の接待費用込みの水増し価格
(ゼネコン・東芝・日立・三菱重工などの出入り業者)
で購入し、濃縮ウラン購入価格(米国側への賄賂)の
公表は無しを貫くなど私企業では考えられない「経営」
を行っています。
話が少しずれますが、それではプルトニューム
核爆弾を何時でも作れる状態を堅持したい原子力村
はプルトニューム核爆弾製造技術向上やウラン購入
独自ルート開発やウラン濃縮技術確立に努力して
いるかと言えば:
未だに、日本の核武装を絶対に認めない(そりゃ、
何時刃向って来るか分らない、信用の置けない日本
ですから)米国からしか濃縮ウランを購入できないし、
おまけにウラン濃縮技術が未だに確立していないので
ウラン核爆弾が製造できない、致命的な事実は再処理
(使用済み核燃料からプルトニュームだけを取り出す)
技術がないのでフランスのアレバに任せっきりという、
なさけないと言おうか、幸いと言おうか。
なぜなら、再処理工場の廃棄物の量一日分が原発の
廃棄物の量一年分だからです、そらそうですよね、
わざわざジルコニュームで覆われていた使用済み
燃料棒をズタズタに切断するんですから・・・
この様に沿岸の海は猛烈な汚染に曝されるリスクが
常時存在していたので、英国のセラフィールドが
2011年に閉鎖に追い込まれました。
ですから、もし六ヶ所村が稼動していたら、津軽
海峡は高濃度汚染海峡になっており、大間のマグロ
を誰も口にしなくなっていたでしょう。
Alternatives