「衆議院解散権の行使は、首相の専権事項」解釈は、憲法違反の解釈です |
内閣の長にすぎない首相が、何時でも国権の最高機関で
ある国会(衆議院)を解散できれば、首相が明治憲法下の
主権者天皇となってしまいます。
明治憲法第7条:天皇ハ帝国議会ヲ召集シ其ノ開会閉会
停会及衆議院ノ解散ヲ命ス。
要するに、天皇は、議会の召集・開会・閉会・停会・
衆議院解散する権限を保有。
また、憲法45条が保障する衆議院議員の任期満了以前に
国会(衆議院)の承認無く、国会(衆議院)に解散を命
じる権限は首相に付与されていません。
憲法が保障する三権分立(権力分離)の違反となります。
更に、首相が衆議院解散権を行使して、衆議院を解散する
事が可能となるなら、
内閣が国会より優位となってしまいます。
要するに、憲法41条が謳う「国会は国の最高機関」に違反
してしまい、
「内閣が国の最高機関」となってしまいます←三権は同等
なので、チェックとバランスをすることが可能となります。
以上の様に、整合性が取れない憲法解釈となり、初歩的な
ミスを犯した判断となってしまいます。
ですから、田中耕太郎最高裁裁判長は判断を避けた訳です。
で、憲法7条:The Emperor, with the advice and
approval of the Cabinet, shall perform the following
acts in matters of state on behalf of the people:
Dissolution of the House of Representatives.
Performance of ceremonial functions.
和文:天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、
左の国事に関する行為を行ふ。
三 衆議院を解散すること。
十 儀式を行ふこと。
上記に「衆議院解散権の行使は、首相の専権事項」の文言
は存在しません。
が、7条3項に「衆議院解散」の文言があります。
この文言は一から十ある天皇が行わなければならない儀式
の内の一つと解せますので、
3項は、「天皇は衆議院解散の儀式を行う事」となります。
ここから、儀式を仕切るのは、助言と承認を与える内閣
であり、その内閣の長は、首相なのだから、「衆議院解散
権は、首相の専権事項」となる論理は、
あまりにも飛躍した論理、こじ付けの屁理屈だと子供でも
理解できます。
そもそも、こんなやり方は、真っ当な憲法解釈とは呼ぶ
ことは出来ません。
あたかも、「衆議院解散」という漢字を小学生に覚えさせ、
前文から103条ある日本国憲法にその漢字が見つかれば、
「合憲」とするようなものです。
真っ当な憲法解釈を全く公にせず、こんな小学生の学力
でも判断できるやり方でお茶を濁し、
その上、こんな小学生が判断した「合憲」解散権を後生
大事に、なんと、驚く事に、戦後24回も「合憲」解散権が
行使されました。
この日本は開発途上国かと思わせる蛮行により、有権者
(主権者国民でもある)が保有している選挙権の効力は
歪められてしまい、
解散を仕掛けた党が選挙を有利に戦える局面を演出する
事に繋がってしまい、
750億円かけた選挙費用は、溝に捨てたような選挙になり
ました。
この違憲解散権にお墨付きを与えた御仁があの田中耕太郎
です。
で、吉田内閣は「抜き打ち解散」打って出ました。
勿論、解散で失職した議員は裁判に訴え、裁判は最高裁
まで争われましたが、
最高裁が「衆議院解散という高次元の政治性の高い統治
行為に関わる問題の合憲・違憲の審査をする権限は、
裁判所に無い」と判断し、
最高裁自ら、憲法81条で保障している「違憲審査権利行使」
義務を果たそうとしませんでした。
憲法99条該当者である裁判官には、現行憲法尊重擁護義務
が存在しますので、最高裁の不作為は憲法違反行為となり
ます。
要するに、判断を回避しました(こんな子供でも分る判断
を捻じ曲げて、「合憲」と恥ずかしくて明言できる訳ない
だろう!)。
そして、「衆議院解散権の行使は、首相の専権事項」が
「政治の常識」となってしまいました。
こんな蛮行が罷り通るのは、判断を回避すれば、「合憲」
とできる日本独自の悪習です。
そして、その悪習を当たり前のように報道する電通マスゴミ
NHKの「憲法21条違反金太郎飴報道」がなければ、
こんな子供騙しなやり方が慣習と成り得ません。
この田中耕太郎は、「砂川裁判」では、明確な憲法違反である
日米安保条約の極東条項(憲法前文「政府の行為によって、
再び戦争の惨禍が起きない様に」に違反)の判断も回避した
張本人ですが、
何れも、電通マスゴミNHK及び法曹界の後押し(違憲行為を
黙認する)のお陰で、
今尚、判断を回避した「合憲」判断が一人歩きしています。
Alternatives