米国金融危機アプローチ方法:トリクルダウン or トリクルアップ |
金融業界を救済すれば市場が安定し、その恩恵
が究極的には一般米国人に行き渡るはずだとい
う考えです。
こういう考え方ではどうしても案は大掛かりな
チャレンジが必要なものになります、事実財務
大臣に100兆円近い金を与え、且つ勝ち組や
負け組みを選別できるおきな裁量権を与えること
になります。
勿論、よりスッキリした解決法は日本がとった
様に毀損した債権を買い取るのでなく、直接資本
を注入することなんですが...
ここまでは、いろんな方が言われている事ですが
はたして、解決方法はこの様なトリクルダウン方式
だけでしょうか?
全く別の方式がトリクルアップ方式です、実は大恐慌
の後の100日に革新的な法令が次々に成立しました
(これらの法令がその後の米国近代化に大きく貢献。)。
その一つがHOLC(Home Owners' Loan Corp.)
です、このホームローン公営会社が全米ローン返済者
の内の25%の人のローンの元本をこの公営会社が
支払い、ローン返済者は月々のローンをこの公営会社
に支払う、この際ローン支払の負担が大きすぎる場合は、
この会社がその家の価値の未来の値上がり分と交換に
ローン支払い負担の軽減を図る事が出来ました。
最近公的資金が投入された半官半民ホームローン会社
であるファニーメイやフレディマックにこの役目を
やらせる事ができます。
この方法ですと、政府は中身の分からない福袋(証券化
商品)を抱え込む必要はなく、評価が判断しやすい不動産
を抱える事になるし、この危機を乗り越える為にローン
返済者が政府と一緒になって努力する事が出来ます。
今回の金融危機は流動性危機なのですが、究極的には
ローン債務者がローンを支払う事が出来ないことの産物
です、従ってこの根本的問題を解決しない限り、問題は
継続します。
そもそもトリクルダウン方式を推し進めている人たちは
今回の錬金術として「家の価値は下がらない」や「会社
は倒産しない」といういつかは破綻する前提条件を認識
していながら金融工学で煙に巻き、30倍ほどのレバレ
ッジを賭け、格付け会社とグルになって、「安全安心」
な福袋を世界に販売することで巨万の富を獲得し、一方
いつかはこの錬金術は破綻し、これだけ大掛かりな仕掛け
ですから、逆回転した時の反動は大きすぎて、一旦信用
を失うと修復は困難となり、その結果流動性を失う事に
なることを認識していた確信犯です。
こんな確信犯を救えば、性懲りもなくまた同じような事を
繰り返します、なぜならこれらの確信犯を規制する法令に
関しての議論がまだ議会で議論されていないからです。
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