資本注入でも米国金融危機は解決しない! |
バブルの清算のきっかけをし、その後
清算に成功した体験を例に挙げて、米国
も資本注入すれば、金融危機は解決の
糸口になるとの誤解が蔓延しています。
ポールソンも馬鹿ではないので、資本
注入のことは十分承知しているはずです。
今、資本注入を前面にだせば米国民に事
の深刻さが露呈するのを恐れているのです。
どういうことかと言えば、必要資本注入額
が米国単独では到底賄えない額だからです。
CDS単独だけでも6000兆円にものぼ
ります、福袋(証券化商品)の総額は誰も
分かりません、少なく見積もっても数京円
という天文学数字になります。
現在のアイスランドの現状を見れば想像が
つくと思います。
この国は生活水準が高い国で有名でした、
しかし先日政府が全銀行を国有化することを
決定しました、なぜなら今回の米国金融危機
の影響で銀行の不良債権額がGDPを超え、
この国が外国から調達できる額を超えてし
まったからです。
これは、ひとえにレバレッジ(金額を膨らます)
を25倍から30倍とお金を膨らましてしまった
からです、うまく行けば面白いように儲かりますが
反対になれば、今回のアイスランドのようになり
ます。
日本の金融危機はレバレッジは掛かっていなかった
ばかりか、日本だけのローカルな危機だった訳で
産業界もそれなりに健全でした。
一方、今回の米国金融危機はグローバルで、産業界
も金融部門で儲けていたので、産業界も不健全です、
さらに悪い事には、産業界の日々の活動に欠かせない
コマーシャルペイパー(約束手形)の決済を銀行が
できないから、FRBがその決済の役目をになって
いるという非常に不効率な信用収縮状態です。
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