売国金融政策:あれ、もう米国では時価会計基準を適用しないのですか |
ディリバティブなどの金融商品を期末の時価で評価
し直すという会計方法」ですが、もしその企業が銀行
などの金融機関なら「ある状況下」でこの会計基準を
採用すれば銀行の最大の社会貢献である融資に悪影響
を与えるばかりか、簡単に自己資本不足に陥り破綻する
のを待つばかりの状況なってしまいます。
その「ある状況下」とは有価証券や金融商品の価値が
下がりやすい状況下であり、デフレ状態の時である事
は少し考えれば、明々白々ですが、「年次改革要望書」
(別名「日本の富を米国に差し上げさせていただく事を
し易くする為に日本の制度を改革する要望書」)、
要するに日本政府に売国金融政策を取らせる要望書
(ここでは金融政策の一部しか取り上げないので
こう呼ぶが、実際の要望は多岐にわたっています。)
その要望書(実際は命令書)に従って、2003年
3月末に時価会計処理が開始された(なんとデフレ真っ只中)。
対応に追われた銀行はしかたなく手持ちの株券売却処理
を加速した、なぜなら保有し続ければ有価証券の評価が
下がり続け自己資本不足、ひいては破綻に繋がるからです。
この結果、かつて16~20%あった銀行の持ち株比率
が5%(2006年度)に急降下し、そのほとんどが
外人(主に米国籍)に渡り、外人持ち株比率が24%(
2006年度)に達しました。
日本企業を支配し、その富を得る為には株を買い占め
なければならないのですが、なにもしなければ大量の株
は市場には出てこないので、どうしても強制的に、
望むなら安く放出するように日本政府に働きかけたかった
ので、米国のエージェントである竹中は忠実に日本国益
を損ね、米国国益を優先させる政策を実行し、その実行
をしやすくする為に、金融官僚や日本経済新聞が後押しを
しました。
更に、この強欲外人株主を満足させる為に労働者の
非正規化が加速されてきました、こうすることで経営合理化
がたやすくなり利益が増大することでひいては株主配当が
増えることとなります。
所で、この大変な欠陥を持った時価会計なんですが、日本で
最初に導入されるときの日経の説明は「グローバルスタンダード
で会計の透明性を高めるために株主には有利に働く」でしたが、
実際はグローバルスタンダードではなく米英だけの特殊な
会計基準であったことです。
ひどい事に、米国では大恐慌の1933年から1993年の
60年間時価会計適用を停止していたばかりでなく、2年前の
リーマン・ショック以降、時価会計の適用停止を現在も続けて
います。
さすが、日本導入時に「早く不良債権処理を進めるためにも
時価会計を導入せよ」と言ったてまえ、米国は時価会計適用停止
と呼ばず、時価会計適用緩和と呼び「売買目的で保有する
債務担保証券(CDO)などの証券化商品について、買い手が
付かずに投げ売りに追い込まれる場合、すなわち「秩序ある」
取引が成立しないケースでは、時価会計を必ずしも
適用しなくてもよい」とする見解を取っていますが、実質的な
時価会計停止ですね。
もし、時価会計が停止できなければ、米国の金融機関は全滅し、
世界経済がもたないでしょうから、この措置は分かりますが・・・
このような背景なのに、なぜ未だに、馬鹿正直な日本は
時価会計を行っているのでしょうか・・・
なぜ、あれほど熱心に時価会計導入を奨励していた日経がこの
米国のあきれはてた行動を非難しないのでしょうか・・・
Alternatives