福島第一原発:欠陥品マークI議論がなぜ出てこないのか? |
の地震や想定外の津波による電源喪失と
なっています。
しかし、GE社のある米国では、企業擁護
大手メディアでさえ、マークIの欠陥性
についての報道がなされています。
大ぴらに報道されている訳は、米国では
原発事故があればもちろんGE社にほとん
どの責任がある事になりますが、なぜか
日本では官僚の原子力行政によりGE社の
責任は限られており、責任の大半はプラント・
オペレーターの東電にあるとの驚愕の事実
があるからです。
米国での報道は、マークIが冷却機能を失う
と露出した燃料棒により水素大量発生が
起こり、その積み上がった水素圧に内容積
が小さい、鉄板の板厚が薄い欠陥格納容器
であるマークIは耐えられなくなり、壊れて
開いてしまうか、または爆発して壊れて
しまうということを伝えています。
この欠陥を認識し、訴訟を恐れたGE社は
ドーナツ型圧力抑制室やベントシステム
を後付けすることで、十分とは言えないが、
欠陥を補えると考えました。
というのは冷却機能が失われる、ましてや
冷却機能が完全に喪失する可能性はほどんど
ないと高を括っていたからです。
日本でも、米国例を見習って、GE連合
である東芝や日立がドーナツ型圧力抑制室
やベントシステムを後付けしましたが、
根本的対策になっていないことは明らか
だった訳です。
特に、ベントシステムは本当に人を馬鹿に
したシステムです。
なぜなら、「なにかあっても放射性物質は
最後の砦である格納容器内に閉じ込めて
おけるので安心です。」が、設計上の
コンセプトなので、
「水蒸気や放射能を含む水素圧が上がって
最後の砦である格納容器が耐えられなくなる
ので水素圧を下げる為に放射性物質を外に
放出します。」
は設計上のコンセプトを否定することになる
ので大矛盾です。
ちなみに、この人を馬鹿にしたシステムには
水を潜らして放射性物資を放出するやり方と
驚くべき事に、そのまま放射性物質を放出する
やり方(ドライウェル・ベント)
がありますが、フランスではさすがその
まま直接放出が出来ないので、妥協の産物
である、なるべく多くの放射性物質が外に
出て行かないように、家一軒ほどの大きさ
のフィルターを後付けしています。
より重要な事は、最初から格納容器から
ある程度の放射性物質が漏れ出る事を許容
している事実です。
許容量は一日当たり、(格納容器内容積 X 0.5%)
です。
というのはこの格納容器に外部から配管や
電気系統を内部に通す為に、あらかじめ容器
の色々な所に穴を初めから開けた容器しか
作れないからです、要するに、完全密封不可能
構造しか作りようがない訳です。
ですから、格納容器が高温状態なれば、それ
ぞれの穴と外部からの物との接着部分が損傷
し、気密性問題が起こり内部の放射性物質漏れ
は防ぎようがなくなる訳です。
ここで疑問がわきますよね。
なぜ40年ほど前から分かっていた欠陥品を
ある期間使い続けた後に、最新型と取り替え
なかったのか?
事実、日米とも40年ほど使い続けています。
それは故高木氏が指摘したことですが、
「原子力の火は消す事が出来ない。」
からです。
一旦、火をつけてしまうと後は燃え続けて
しまうので消す事は出来ません。
ですから、原子力電源はベース電源として
しか利用価値はない訳です。
電気を作り続けるしか能がない原子力に電源
の8割ほどを依存するフランスはどうしても
電気を作りすぎるので、ドイツなどに電気
を輸出する事で、電力量を調整している訳です。
一方、電気を輸出できない日本では火力発電
を止めたり再稼動したり、火力を強めたり
弱めたりする事で電力量を調整する事となります。
重要な事実は、電力需要が2000年に頭打ち
になりその後横ばいとなっているので、電気
を作り続けて、休止できない原子力発電は
電力需要のかなりの増加が見込めない2000年
以降にはすでに役に立たない電源となって
しまっていたという点です。
原子力発電所を作りすぎるとどうしても電力
を捨ててしまわなければならなくなるので、
無理やり揚水発電所を作らなければならなく
なります。
役に立つのは電力需要の増減に機敏に対応
でき、原子力より発電コストが低く、原子力
発電効率の2倍という優れものである火力発電
なんです。
従って、2000年度以降の横ばいや緩やかな
電力需要増加に対応するには、原子力では
なく火力発電を増設したり、発電効率のいい
最新型の火力発電に変更したりして対応する
のが本来の電力行政だった訳です。
米国では、電力行政の透明性が確保されている
ので、誰でも代替案を提案できますが、日本では
実質的に、官僚が自らの裁量で決定してしまい、
また電通マスゴミNHKはこのような重要事項を
正しく報道しないので、以下のようなでたらめな、
犯罪と言ってもいいようなデタラメ行政が堂々と
行われてしまいます。
その犯罪とは、原子力利権に群がるテロリスト
を食わして行く為に、無理やり火力発電を休止
させるやり方で、さも電力が不足している状態
を無理やり作り出し、その状態を利用して原子力
行政を推進し、その結果原子力電源の割合が増え
ました。
そうする事で、庶民に原子力がなければ十分な
電気を賄えないとの間違ったイメージを植えつけ
る事に成功しました。
しかし、国際エネルギー機関(IEA)に
「2009年の段階では、日本の石油火力発電は
30%しか稼働していない。 」と暴露されてしまい、
「日本は原子力発電の不足分を補うだけの十分
な石油火力発電による余剰能力を有している。」
事実がばれてしまった訳です。
さて、最新型に取り替えるには、原子炉を止め
ても、原子炉の火は燃え続け、崩壊熱を出し
続けるので、今ある旧型を外からの電源を使って、
一年ほど「正常運転」して冷却して100度以下
まで下げます。
その一年ほどの間、事故で使用できない間、定期
点検の間は火力発電が肩代わりします。
実際上は、土壌汚染がかなり進行している事や
膨大な解体・保管費用を考えると、廃炉という
選択肢より単なる閉鎖を選ぶのが世界の趨勢です。
廃炉とは超高濃度放射線を出し続ける使用済み
核燃料や放射能まみれの建屋内全ての機器を
最終処分場(実態は最終保管所)に運んで、ただ
単にそれらを未来永劫に保管し続け、そしてその
無責任な処分方法のつけを次世代に回す事を意味
しています。
そもそも論としては、わざわざなぜ非常に危険な、
扱いにくい、最終処理技術がないウラン核分裂を
火力にしなければならないかです。
火力の選択肢として普通なら石炭、天然ガス、石油
を選びますよね、なぜなら必要電気量を作り出す
のにこれらの火力発電プラス自然エネルギーで十分
賄えるからです。
特に、石炭は世界に満遍なく分布しているので
地政学的リスクが低く、価格も比較的安定しており、
採掘可能年数は最低でも150年から200年ほど
もあります。
参考にした英文を貼り付けておきます。
長期間被曝して、血液ガンになれば、死ぬまでの
約一年ほどは「体内メルトダウン」が進行するので
細胞が溶け始め、その塊が排出されるという
壮絶な死に方を余儀なくされます。
Alternatives