「個別的・集団的自衛権」は国策誤訳の「幻の自衛権」 |
混乱の原因は、「個別的・集団的自衛権」という日本でしか
通用しない「幻の自衛権」を基礎に話を進めるからです。
「個別的・集団的自衛権」の一次情報源は、国連憲章51条
ですが、そこには「個別的・集団的自衛権」の文言が見当た
りません。
あるのは、「self-defence」だけで、その「self-defence」
を単独で又は共同で行うという「inherent right」即ち
自然権又は固有権
(自然権とか固有権という法的権限ではなく、法的には
重要性が無い、単なる立法者の理論的見解に過ぎないと
解釈している専門家もいます。)
が認められているだけです。
理由は、憲章2条4項で「武力行使の全面禁止」(大原則)
を謳っており、その例外が2つありますが、
一つは、国連安保理がお墨付きを与えた場合で、二つ目
が、51条です。
ですから、51条は自ずと大原則を破らない内容の条項と
ならないと、国連憲章全体の整合性が取れなくなります。
日本定義の個別的・集団的自衛権がこのケースに当たっ
てしまいます。
要するに、「日本定義の個別的・集団的自衛権」を
自然権又は固有権と認めてしまうと、「国連憲章大原則」
が意味を持たない存在となってしまうからです。
なぜ「self-defence」しか認めないかですが、本来
国際紛争は安保理が主役を務めるシステムになって
いるからです。
ですから、安保理が適切な措置を採るまでの暫定的な
措置として、国連加盟国が「self-defence」を採る
事を容認している訳です。
Alternatives